mizterxのブログ

数学について自分の覚書き(忘れた頃に読んでもOK)

ゲーム理論について面白解説 高校の同窓仲間集めて

先輩後輩諸兄こんにちは。私たち21回生はフェースブックでの内輪のコミュニティでもよく情報交換しており、時には激論に時には下品に盛り上がっています。今回わたしがフェースブックで募ったのは初の試みの勉強会。私の仕事は半導体フラッシュメモリーのエンジニアですが、それと全く関係なく個人的にかじった経営学の「ゲーム理論」その基本コンセプトを中学数学の知識だけを使って解くというお題目に参加してくれたのは21回生5名。場所は3月閉鎖前の渋谷東急プラザの1階のコインスペースという、学校の食堂みたいなとこ。開始の合図はやっぱり「起立!礼!」(故リラ先生風に一同の目を見渡して礼!)文系の人も興味を持ってくれたのですが、”巌の意志”で最後までついて来てくれたのはMRI権威の高原君、ソフトウエアの巨匠の村山君、故偉大な有名俳優の孫で息子だけど僕と同業エンジニアの田村君(早弁の現行犯でコラー!)の3名、築地の大地主の寺島君は早々と脱落して居眠り、電磁波問題でも活躍した元TVディレクター利田君は○○本を読んでるし、なんだか図らずして当時のありがちな授業風景が再現されました。
数学好きな方は今回の勉強会のお題目も挑戦してみて下さい。元ネタは東大後期入試ですが(ゲーム理論では有名な基本問題)パズル風に噛み砕きました。参加者からは「面白い結論だ」と好評。 
問>市場に出回っているある製品XはA社、B社の二社独占で生産されています。Pを市場での統一価格(二社とも同じ値段で売る)、Qを市場全体での生産量として、生産量が多くなればなるほど価格が下がるという直線関係を前提とします。(P=a-b x Q  a、bは正の定数) 
ここで会社Aでの生産量をq1、会社Bでの生産量をq2として(当然Q=q1 + q2 )次の二つのケースを想定する。ケース1>「二社がお互い示し合わせて市場全体の利益(つまりP x Q)が最大になるようにする場合」 ケース2>「二社のそれぞれの利益(P x q1 と P x q2 )が最大になるようにお互いがけん制し合う場合」
そうすると、ケース2はケース1と比べると市場全体としての利益が9分の8(およそ89%)に縮小してしまうというのが結論です。
リラ先生、西沢先生に習った中学数学のみを使って導きだした結論はビジネスの枠を超えてなんか普遍的な真理を語っている気がします。「いがみあうのはやめて地球全体の利益を考えようよ」みたいな。この問題のケース2の状態はノーベル賞学者ナッシュ博士の発見した「ナッシュ均衡」と呼ばれ、博士が学生時代に女性をナンパする時の駆け引きで思いついた理論だそうです。やっぱ駒東生に似合ったお題だったか?残念ながら博士はつい最近、交通事故で他界されました。
ところで今回の開催場所、東急プラザの5階の紀伊国屋では21回生の右田店長が忙しく接客しておりました。右田君は東急プラザ閉館前に開催された渋谷昭和回顧展のテープカットもされました。私たちにも思い出深い昭和の幕を閉じる一役を21回生が担ったこと誇りに思います。
皆様もいつもの同窓会を少し趣向を変えてこの様なテーマを決めての少人数での勉強会も気楽に企画してみてはいかがでしょうか?
謝辞:今回の参加者の高原君はご自分のブログですでに報告してくれたので、そこからもカンニングして参考にさせてもらいました。写真もありがとう。
 解答のポイント>>解答図を参照。ケース1で全体の利益PxQの最大値は二分の一のところになることをケース2に応用するとそれぞれが1/3づつの点で均衡になります。