mizterxのブログ

数学について自分の覚書き(忘れた頃に読んでもOK)

数理ファイナンス その2

次回の続きです。


前回は偏微分方程式を導きました。そして教科書ではここから延々と難しい大学数学を駆使して最終ゴールであるブラックショールズの方程式を導くのですが、このサイトの意図は高校数学からちょっと足を伸ばした程度で理解できるようにしておりますので、ここでは別解答のサイトをご紹介します。 言って見れば近道で方程式を導く方法になります。


オプション: ブラック=ショールズ式の導出


ただ、このサイトを見ても「どこが高校数学の延長線?」と感じられると思いますので、まずは出発点となる式について解説。


Ce = DF(t) ∫(St - K) x Ψ(St) dsをK~∞まで積分


ここでStは将来のtの時点での株価  その株価がtの時点で色んな値になりうるわけで、そのそれぞれの値になる確率があるわけですね。その分布が正規分布(この場合は対数正規分布)になるわけで、(全部で1)その分布がΨの項のわけです。


もう一つ、念のため、今回の変数は株価Sですからね。ある時間Tは固定で、その時の株価が色々な値になりうるというとこ。


1.正規分布の関数 これは大前提としてください。こういうもんなのだと。さらにそれが対数になって対数正規分布になりますが、基本は同じ。


対数正規分布の例と平均,分散 | 高校数学の美しい物語


延々と式を追っていけば高校数学で理解できます。あとは置換積分ね。これも高校で習ったはず。 ただここで補足が必要なのは下記ね。


2.現在価値に割り引く時にeが登場! 解説は下記ですが(他のサイトのコピ)


一単位時間あたりの割引率がrの下でt 時間後の価値はどのように割り引けばよいだろ
うか?一単位時間あたりに1 回割り引くとすると、一単位時間後の価値1は現在価値で
(1+ r)^-1 になる。さらに一単位時間あたりに2 回割り引くとすると一単位時間後の価値1
は現在価値で(1 +r/2)^-2 になる。ただし、このとき一回の割引につき割引率はr/2 とな
る。同様にして一単位時間あたりにn 回割り引くとすると、一単位時間後の価値1は現在
価値で(1+r/n)^-n になる。さらに一単位時間あたりにn 回割り引くとしてt 時間後の現在
価値1は(1 + r/n)^-nt となる。なぜならば、現在からt 時間後までにnt 回割り引きが行わ
れるからである。ここで一単位時間あたりの割引回数n を無限大にするとt 時間後の価値はe^-rtとなる。


ここで言ってることはどんな短い時間でも利子率rが効いてくるということ。それをざっくり単位時間に一回か、それを無限大に細切れにしてn*r/n結果的には同じrとしたかの違いでして、実際、単位時間一回割引の(1+r)^-1     と無限大に細切れにした場合はe^-r 、Y=とでもして両方のグラフを描いてみるとわかりますがどっちの似たり寄ったりなんですね!
いやあeって本当に不思議ですね。


それとついでに前回の最後の方にあったdtの短い時間にも利子率rが効いてくるんですね。


さて、最終的に導かれた式ですがこのN(d1)の式ってなに?というのも素朴な疑問です。これはd1を中心としての正規分布になるという意味になります。


では実際に値を入力して計算して答えがでなければ式は単なるお飾りになってしまうわけで、それをやるにはEXCELでの計算が必要になります。こちらは金融大学によい例があると勉強パートナーより紹介いただきました。