mizterxのブログ

数学について自分の覚書き(忘れた頃に読んでもOK)

数理ファイナンス

数理ファイナンスの基礎で自分が悪戦苦闘した経緯をBLOGにしようと思ってます。


その際によくあるような解説BLOGでなく、大胆に「この式は理解する必要なし」な~んてえらそうにばっさり切って、できるだけ本質のみをわかりやすく、何より自分が後から読み返して、ああ、そうか、と理解できるようにしたいと思ってます。


そのために大学数学は高校数学の延長で理解できる程度に留めています。


したがって最終ゴールである「ブラックショールズの式」の証明も厳密な証明はすっ飛ばしますので!(自分が理解できないというのも理由です!w)


もう一つは参考にさせていただいたサイトを引用します。


まずはこの式から 
dS/S=μ  dt + σ dZ   ---(0)  


左辺dS/S は株をどのくらい有効に活用しているかを表しています。 そしてそれが右辺で説明されるわけです。


まずμは期待収益率 つまり右辺の第一項は会社が毎年がんばって業績を伸ばして株価が順調に上昇していく理想の式。


それに第二項を加えて、おっとどっこい、株はそんな単純ではないのよ、という確率的なばらつきを加味したわけです。


そしてこのdZのZは√t なぜ? ここで中心極限定理の登場。


中心極限定理について


今ある統計事例からある程度の数のサンプルを抽出する場合、サンプル数nの平方根の逆数にばらつきが比例するというのが中心極限定理です。


簡単な例でいうと、全国の小学校一年生男子の身長のばらつき、 サンプルをたくさん取った方がどんどんばらつきが小さくなって、全国の平均に近づく。


これを株の変動に応用する場合、時間Tがたてば経つほどばらつきが大きくなるのは自明、そしてそれは、「Tに比例でなくTの平方根に比例する」のが、中心極限定理の応用になります。


(ただし!この定理、厳密な証明はとってもむつかしくて僕もわからなかったので、自明の定理との前提で先へ進みますね。)


だから第二式のdZはTの平方根。なんとなくわかればでいいの。


そして通常この式はSを右辺へ移行して
dS= μ S dt + σ S dZ   ---(1) 


続いてこの式からブラックショールズの偏微分方程式を導きます。


その前に。前座として下記の式をご紹介します。


e^x=1+x+x^2/2!+x^3/3!+x^4/4!+... 大学で習うeのテイラー展開ですね。


このeの式、丸覚えするのでなくて、高校で習った「e^xは微分しても積分しても変わらずe^x」である事実から思い出すのが自然です。確かにこの右辺は微分しても積分しても変わらないですね。


さてここで偏微分の登場。(怖くないからね、やさしく説明するから) 
ここでfをオプション 株価と時間の関数とすると下記のように表されます。(簡単のためにまずは一次式まで)f(S,t)がまずオプションね。 Sとtの関数という意味。
それを微分すると
 df(S,t)=∂f/∂S dS + ∂f/∂t dt


この式の説明。これは普通の微分式 df(t)=f'(t)dt  の括弧の中が二つの変数になったからこうなったくらいで結構。これが偏微分。


ただし! これで終わりでなく、さっきのテイラー展開のようにずらずらと続くのですが、そこではいかなくても二次まで書いてみましょう。


df(S,t)= ∂f/∂S dS + ∂f/∂t dt + 1/2 ∂^2f/∂S^2 dS^2 +1/2 ∂^2f/∂t^2 dt^2


eの展開の式に似てるなあ程度で結構。この式に(1) dSの式を代入します。


そしてこれも高校数学で習ったよね。dS とかdtは二回かけると小さすぎるからゼロとみなして省略できる。ただし! dSの式を二乗するとdZ^2がでてくるよね? これは最初の前提からdtだから残しとく。そうするとロケットでいう第一段階が完成です。


これを伊藤レンマの式といいます。----- (2)


そしたら下記の龍谷大学の説明に移ってください。ここまでの説明は下記LINKの13Pageまでを僕流にわかりやすく説明したつもりです。


そしたら同じLINKの18Pageへ飛んでください!
https://www.math.ryukoku.ac.jp/~iida/lecture/gr/gr05/endo-okada-prs.pdf


そして22Page目まですすめば偏微分方程式の完成です!


この18page-22pageのポイントは株とオプションでポートフォリオを上手に組んでdZの項つまり不確定要素の項がなくなって、リスクがなくなる点です。


それとΔはdと同じとみなしてください。


ですから ∂f/∂S ΔS -Δfは∂f/∂S dS - df    はΔSはdSで(1)式を代入する。Δfはdfで、(2)を代入します。


そして上で述べた不確定要素の項がなくなった式を現在価値に割り引いきます。


これはdtという短い時間でも利子率のrはそれなりに効いているから、時間を戻す作業が必要といわけです。


この式を------ (3) とします。


次からはこのブラックショールズの偏微分でなく単なる方程式の証明へ。